お客さん、代金いただいてませんよ。

サービス残業について話題になっていて、経営論とか労働観とかいろいろ難しいことを考える人もいるようだけれど、もっとも基本的なことが忘れられていないだろうか。

「物を買ったらお金を払う。」

労働者は、自分の労働を自由に使う権利を企業に売り渡す。
売り渡すのは、「労働を使う権利」であって、「収益の約束」ではない。
労働者をつかいこなして収益を上げるかどうかは経営の都合であってこっちはそんなの知ったこっちゃ無い。いや実際には現実に働く場面になれば働きがいとか、経営に貢献しているかとか、社会に役立っているかとか考えるし、それはそれで大事なことだと思うけれど、すくなくともお金のやり取り、労働の売買契約のレベルではそんなことは入り込む余地が無い。

だから、残業をさせて給料を払わないっていうのは、ようは物を買っておいて代金を払えませんっていうことで、
「あんたのとこの材料買って加工して一儲けしようと思ったんやけど、全然売れへんかったから代金払えませんわ」
というのと同じことではないか。

企業がもしサービス残業させないとやっていけないって言う状態なのなら、それは経営が大変なんじゃなくて、不渡りだしてもう破綻してるってことじゃないのか。

物を買ったらお金を払うっていう資本主義の最低限のルールさえ守れない人たちが自由競争とか市場原理とかのたまうっておかしくないですか。